光ファイバー導入日記

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この日記は一番上が最も古い日付で、下に行くほど新しい日付となっています。

2002年6月19日(水)

PM18:30頃、Webにて申し込みを行う。Web申し込みと言ってもこの業者の場合、入力した住所に申込書が郵送されてくるしくみとなっているため、その場では申し込みは完了しない。煩わしいもんだ。

(注:現在はWeb上で申し込み手続きが全て完了するようになっている模様)

2002年6月23日(日)

夜帰宅すると、ポストに申込書が入っていた。中身は申込書と薄っぺらなパンフレットのみなのだが、なぜか郵送ではなく宅配便で送られてきた。ちょっと意味不明。

申込書の体裁はこの種のものに多い複写式なのだが、私はこの「複写式」というやつが昔から大嫌いなのである。強い筆圧で細かい文字書くの苦手なんだわ。

夜中の1時半過ぎに書き始め、全部書き終わったのは3時過ぎだった。

2002年6月24日(月)

会社に行く途中に申込書を投函するつもりだったのだが・・・

ポストの前まで来たところで、申込書を持ってくるのを忘れているのに気づいた!

取りに帰る時間は無い。せっかく夜遅くまでかけて書いたのは何だったんだ・・・ 結局、夜帰宅してから改めて投函しに行った。翌朝に回すとまた忘れかねないし。

2002年6月25日(火)

集合住宅に光ファイバーを導入する場合、必ずクリアしなければならない大きな関門が存在する。それは「建物の所有者等の許可を得ること」である。導入が物理的に可能でも、所有者の許可が得られないために涙を飲むケースも少なくないと聞く。この業者の場合、所有者等との具体的な交渉は代行してくれるらしいのだが、「光ファイバーを導入したい」という意思表示と「その件で業者から連絡が行く」ことの通達だけは申込者が事前に行なう必要がある。

で、私は分譲マンションに賃貸契約で住んでいるので、前述の意思表示&通達を「マンションの管理会社」「賃貸取扱いの不動産会社」「部屋のオーナー」の三者に対して行なわなければならないのである。そのうちの誰かが難色を示せば、光ファイバーは幻に終わってしまうかもしれない・・・ そんなことを考えながら、各所に立て続けに電話してみた。

その結果、幸いなことに三者とも快諾してくれた。特にオーナーさんは「機会があれば引きたいと思っていた」らしく、即時OKしてくれた。管理会社と不動産会社も昨今のブロードバンド需要は理解しているようで、話はスムーズに進んだ(まぁ、館内に衛星放送だのPHSの基地局だの設置しているようなマンションだから通信系の導入にはもともと積極的なのだろう)。「光ファイバーを引いてるマンションは資産価値が上がる」との説も最近よく耳にするが、そのあたりのこともあながち無関係ではないのかもしれない。

何はともあれ、これで最初の関門はクリアされたわけだ。

2002年7月4日(木)

お約束の催促電話をかけてみた。サポセン側の返答は、おおむね下記のような感じだったと思う。

「お客様のお住まいの場合、すぐ近くまで光ファイバーが来ているので、それをどのように建物内に引き込むか検討しながら、並行して管理会社との交渉を行なっているところです」

ふーん・・・ まぁそんなもんだろうね。しかし、エリア内でも光ファイバーが近くを通っていなければその分手続きが煩雑化&長期化するであろうことは容易に想像がつく。その意味でもラッキーだったと言えるのではないだろうか。

2002年7月16日(火)

2回目の催促電話をかけてみる。

「7月3日に電柱の使用許可申請を行ない、現在それの返事待ちです」とのこと。「許可が下りたら工事の日取りが決定できるわけですね?」と尋ねると「そう・・・です・・・ね・・・そうなると思います・・・」との返答。なんか頼りないなぁ。

電柱の使用許可申請はNTTか東京電力のどちらかに対して行なうらしい。どっちなのかは尋ねなかったが、両者とも「お役所体質」の匂いがするのが気になるところ。あくまで噂話だが、自社のFTTHシェア低下を懸念して許可を渋るケースがあるとかないとか・・・ 特にNTTの場合はADSLのような前例があるから、どうしても疑心暗鬼になってしまう。頼むから印象が悪くなるようなことだけはしないでくれよ・・・

2002年7月19日(金)

催促電話が功を奏したのか、業者から「工事OK」の連絡が来た。25日以降なら基本的にいつでもOKとのことだが、平日はどうあがいても都合がつかない。27日の土曜はどうしてもキャンセルできない仕事が入っているのでダメ。28日の日曜も本来なら仕事なのだが・・・

いいや、28日は無理やり休んでしまえ! 埋め合わせは後で考えよう!

というわけで工事は28日のAM10:00からに決定した。掲示板にも書いたが、7月になってまだ1日も休んでないので、いざとなればそれを口実に休んでしまえばいいのだ!・・・が、本当に休めるかどうかはその時にならないと分からない。なんとも不憫なもんやね。

で、聞いたところ工事は2時間程度で終わるらしい。他人の導入記で「半日かかった」とかいうのを何件か見かけたような気がするのだが、本当に2時間ごときで終わるのだろうか? 新たな不安が生まれてしまった。

2002年7月28日(日)

光ファイバーケーブルを集合住宅に引く方式には、大別して下記の二つがある。

マンションの場合、基本的に前者が使われるケースが多いようである。後者は主に一戸建ての家屋で使われる方式だが、場合によっては集合住宅でも使われるらしい。光本来のパワーを発揮させるためには後者が望ましく、前者は速度低下の要因になるようだ。

おそらくこういうのは自分で決められるものではないのだろうが、実際どっちの方式が使われるのだろうか? 何となく気になって館内をうろついてみると、"MDF"と書かれた共有設備らしきものが見つかった。なるほど、ここまで光ケーブルを引いて、あとはLAN配線なんだろうな・・・ 私はそう見当を付けた。

そんなわけでいよいよ工事当日を迎えたわけである。当時は仕事が非常に忙しく、日曜日に休むこともままならない状態だったのだが、辛うじて休みを取ることが出来た。(本当はマズい状況だったのだが、本文の趣旨と無関係なのであえて書かないことにする)

睡眠不足の極致にあったにもかかわらず、朝は早く起きることが出来た。さしずめ遠足当日の小学生みたいなものであろうか・・・ 朝食を摂り、部屋の掃除をして工事の人を待った。

AM 9:45、約束の時刻よりも早く工事の人がやってきた。室内工事の人(以下、便宜上「Aさん」と書くことにする)が一人、屋外の作業車の人が二人(だったと思う・・・実を言うと屋外は正確に覚えてない)である。早速Aさんがベランダに出て周囲の状況を見始めた。

その時、私はAさんに尋ねてみた。

え?? ということは・・・?

そう、冒頭に書いた「一本の光ケーブルを直接室内に引き込む方式」だというのだ。Aさん曰く「ここは建物の構造上LAN配線が不可能なので、こうするしかないんですよ」とのこと。なるほどね・・・ そんなこともあるのか。ということは光のパワーを存分に味わえる方式なんだな・・・? 何となく得した気分。

というわけで、以下の文章は「一本の光ケーブルを直接室内に引き込む方式」の工事についてのものであることを念頭に置いて読んで頂きたい。

工事が本格的に始まった。電柱からベランダに光ケーブルが渡され、Aさんの手によってズルズル引っ張られてきた。私の部屋は路地側の角部屋で、路地を挟んだすぐ向かい側に電柱が立っている。Aさん曰く「このマンションの中で工事が一番やりやすい部屋ですよ」とのこと。それにしてもAさん、命綱も無しにベランダの塀によじ登ってるけど怖くないのかな?訊いてみたら「ちょっと怖いです」とのこと。まぁ落下したら死んじゃうかもしれない高さだもんな・・・

引っ張られてきたケーブルはエアコンの屋外機に引っ掛けられて向きを変え、すぐ近くにあるダクトの小穴を通って室内に入ってきた。この小穴はAさんが開けたものである。(正確にはダクトの周りを固めている石膏の部分に小穴を開けている。文章だと分かり辛いと思うが・・・)

ケーブルが室内に入ってきたところで、Aさんが言った。

「どのくらいの長さにしますか?」

私は一瞬何のことかピンと来なかったのだが、要するに室内に入ってきている光ケーブルの長さを一度決めてしまうと後から長くすることが出来ないのである(丸めて短くすることは出来る)。PCの設置場所に届かないと、異様に長いLANケーブルを使うハメになりかねないわけだ。私が長さを指定すると、Aさんはケーブルの余った部分をバチンと切断した。そしてケーブルが邪魔にならないように壁や床をうまく這わせる作業に移ったのだが、明らかに意図的に曲線を描くように這わせているように見えたので、その点をAさんに質問してみた。Aさんからの答えは「光ファイバーは鋭角的に曲げてはいけないんですよ」というものだった。さらに「曲げるときは原則的に半径30センチ程度の円カーブを描くようにしないといけないんです」とも教えてくれた。破損や速度低下の原因になるからだという。なるほどね、直感的には分かるかも。(その後の自経験で、もう少しカーブがきつくても支障は無さそうに思えるのだが、やはり基本は半径30センチなのだろう)

続いて、ケーブルの先に「メディアコンバーター」と呼ばれる機器を取り付ける作業に移った。これはADSLで言うところのモデムに相当する物だと思えばイメージしやすいだろう。このメディアコンバーターにはLAN端子が付いており、ここにLANケーブルを差してPCと接続するわけだ。いよいよ工事は最終局面に入ったようだ。

この作業は興味深かったので至近距離で見学させてもらった。大雑把に書くと、まず光ケーブルの先端の被覆を取り去り、その中にある光ファイバー(透明な細い線)をアルコール洗浄し、前述のメディアコンバーターに取り付けるという作業だった。Aさん曰く、この作業はかなりシビアらしく、光ファイバーとメディアコンバーターの結合部分にゴミや汚れがあるとパフォーマンス低下の要因になってしまうとのこと。(アルコール洗浄するのも決して大袈裟なことではないのだとか)

ここまでで工事は終わり。ちなみにここまでの所要時間は一時間半程度だった。あとは実際の接続テストである。

Aさんが持参しているテスト用PC(CPU:PentiumIII666MHz、OS:Windows2000だった模様)がLANケーブルでメディアコンバーターに接続され、通信可能状態になった。無事に開通しているようだ。そのままAさんは自社の測定サイトらしきところにアクセスし、通信速度を何回か測定していた。その結果、平均して30Mbps程度は出ているとのこと。Aさんの「このくらいの速度が出ていれば良しとさせてもらってますので・・・」との言葉に、私は了承した。

すべて終わってAさんたちが帰ろうとしたときにお茶でも出そうかなと思ったのだが、「もう次の工事に行かないといけないので、お気持ちだけ頂いときます」という言葉が返ってきた。やはり土日は工事の予定が詰まっているのだろう。

さて、肝心の我が環境ではどうだろうか・・・ LANケーブルをADSLモデムからメディアコンバーターに差し替え、PCの電源を入れた。しかるべき設定(といってもやることはそんなに多くないのだが)をしてネットブラウザを開いてみる。

よし、ネットサーフィンは出来るぞ! ダウンロードはどのくらい速いのだろうか?試しにVectorで500MBのファイルをダウンロードしたら、ものの2分程度で完了した。素晴らしい・・・(このときのことは掲示板過去ログのNo.1548も参照して頂きたい)

これで俺も光ユーザーか・・・ 言葉ではうまく表現できないが、ADSL開通のときとは違った感動がそこにはあった。